「朝びらき丸 東の海へ」

「朝びらき丸 東の海へ」より (以下斜字部はすべて本から抜粋したもの) 

…空と海おちあうところ、
 波かぐわしくなるところ、
 夢うたがうな、リーピチープ、
 もとめるものを見つけるは、
 ひんがしのいやはての国。…

ナルニア国ものがたりの中でも、特に冒険心を満たしてくれる大好きな一冊。
ナルニアへと導く魔法がルーシィたちにはたらく瞬間は数ある方法の中でも
この回がいちばん好きです。魔法がナルニアからこの世界へ
はたらきかけている様子がいきいきとかかれている場面がここです。
まるでそのイメージが目の前に広がるような感じがしませんか?

…そのとき見たできごとを、こうして字にして読んでは、
とても信じられないかもしれませんが、じっさいにおこったありさまを
目にしても信じがたいくらいでした。絵のなかのものが、動いていたのです。
といっても、映画のようではありません。映画にしては、その色が、
あまりなまなましくて、あざやかで、そとのけしきそっくりすぎました。

船のへさきが波間にしずんだかと思うと、大きなしぶきがあがりました。
するとこんどは、その波が船のうしろに高まって、船のともと甲板が、
はじめて目にうつりました。それからつぎの波がおそってくると、
うしろ側は見えなくなって、ふたたびへさきがぐっとあがりました。
と見た瞬間に、ベッドのエドマンドのそばにおいてあった
一冊の宿題帳がひらひらとめくれて、ひょいと立って、空中へまって、
エドマンドのうしろの壁のほうへただよっていきました。

ルーシィは、風の強い日にあるように、髪の毛がさっと顔にかぶさって、
みだれとぶのをおぼえました。もっとも、その日は風の強い日でした。
けれどもその風は、絵の中からみんなのほうへふいてきたのです。
そしてだしぬけに、風とともに、大きな音がしてきました。
波のわき立つ音、船におそいかかる音、くだける音、
そしてそれらにたちまさっていつもきこえるのは高い風の音と、潮さいのひびきでした。
けれども、ルーシィにこれは夢じゃないとはっきり思わせたものは、
あのにおい、荒あらしい潮のかおりでした。…

ユースチスが竜に変わったとき、そばについていてあげたリーピチープも
好きですが、ユースチスが元の姿に戻った時のエドマンドの言葉も印象的でした。

…「そんなことはいいんだ。」とエドマンド。
「きみにだけいうけど、ぼくがはじめてナルニアへでかけていったころほど、きみは悪くはなかったさ。
きみが、とんまのロバにすぎなくとも、ぼくは、裏切り者だったんだよ。」
 「なに、そんなこと、いわなくたっていいさ。」とユースチス。…


ナルニアにはおいしそうな食事がたくさんありますが、
このルーが魔法つかいのコリアキンのところで食べた食事
(特にオムレツ)はほんとうに食べてみたいです。
なんてったってコリアキンは魔法つかいでもあり、星でもあったのですから。

…「すてきだわ。」とルーシィがいいました。まことにすてきなごちそうでした。
ほかほかと湯気をあげているオムレツ、子羊の冷やし肉にグリンピース、イチゴアイス、
あいだに飲むようにレモンスカッシュ、あとで飲むようにココア一ぱい。…

この話は大航海であることがよけいにわたしたちをひきつけるのかもしれません。
嵐、潮風、海の透明度、くらやみのなかの水が油のように見えるところ、
何があるか分からない島、船がなくなれば帰れないこと、海の果てはどうなっているのか
わからないことなどなど…ぜひ、あんな冒険をしてみたいものです。

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