

「さいごの戦い」
ナルニアの最後、そして真のナルニアとは。
この物語では、うまやの中に一体中に何があるのか
用意した当人もわからなくなってしまいますが、
ピーターたち、そしてチリアンたちに見える世界には、
金色、黄色、紫色、赤色などの実のなる木がありました。
「さいごの戦い」より (以下斜字部はすべて本から抜粋したもの)
…いったいどんな味の木の実か、とおっしゃるんですか?
残念なことに、味のことは、うまくいいあらわせないものです。
せいぜい、ほかのくだものとくらべていうくらいですが、
とれたてのグレープフルーツでも、これにくらべれば味がなく、
いちばん汁気のあるオレンジもかすかす、舌の上でとけるくらいの洋ナシも
まだかたくて、すじっぽいといえるし、どれほどあまい野イチゴにせよ、
これにくらべたらすっぱいと思われました。
そのうえ、たねもなく、しんもなく、虫もついていません。
この木の実を一度食べたあとでは、どんなにおいしいものだって、
薬みたいな味に思われるでしょう。…
この物語では、今までの物語に出てきた懐かしいものたちがたくさん出てきます。
ここでは、ルーシィと、彼女がはじめてナルニアで会ったフォーン、タムナスさんとの
会話をご紹介しましょう。
…「わかったわ。」とルーシィは、考えにふけりながら、さいごにいいました。
「いまやっとわかったわ。この庭は、あのうまやのようね。
そとよりなかのほうが、ずっと大きいのね。」
「もちろんですよ。イブのむすめさん。」とフォーンがいいました。
「あなたが、さらに高く、さらに奥へはいっていくにつれて、
なにもかもずっと大きくなるのです。
うちがわは、そとがわよりも大きいものですよ。」
ルーシィは、いっしんに庭をながめて、そこがただ一つの庭ではなく、
ちゃんと川あり森あり、海あり山もある、一つの完全な世界であることを知りました。
しかもそれは、見知らぬところではありませんでした。
ルーシィは、そこをよく知っていました。
「わかったわ。」とルーシィ。「ここも、やっぱりナルニアね。
下にあるナルニアよりも、もっと真実で、美しいナルニアね。
ちょうど下のナルニアが、うまやの戸のそとにあったまことのナルニアよりも、
もっともっと真実で美しかったように!
世界のなかにある世界、ナルニアのうちがわのナルニアだわ……」
「そうです。」とタムナスさん。「タマネギみたいでしょ。
でもこれは、あなたが奥へはいればはいるほど、
その皮が、前にむいた皮よりずっと大きくなるところが、ちがいますけどね。」…
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