「カスピアン王子のつのぶえ」

まずは廃墟となったケア・パラベルでのシーン。

「カスピアン王子のつのぶえ」より (以下斜字部はすべて本から抜粋したもの) 

…つぎに、ピーターが、じぶんの贈り物をとりだしました。大きな赤い
ライオンをえがいた楯と、王剣でした。ピーターは、楯と剣に、息をふきかけたり、
床にこつこつあてたりして埃をはらいました。
楯を腕にさして、腰にさげた剣をぬきました。
はじめは刀身がさびついて、さやにくっついているのではないかしらと
思いましたが、そんなことはありませんでした。電光石火、さっとぬかれた剣は、
電灯の光できらめきわたりました。
 「これぞ、わがリンドンの剣だ。」ピーターがいいました。
「これをもって、オオカミを退治したのだ。」
ピーターの声音には、新しいひびきがありました。それをきくほかの子どもたちは、
ピーターはいまたしかに、むかしどおりの一の王だと感じました。…

ペベンシー兄弟の四人がそれぞれ自分の持ち物を身につけていく中で、
このピーターの場面は彼らがイギリスの子どもからナルニアの王、王女へと
戻っていくのを特に象徴しているように思います。
ピーターがとてもかっこいいシーンです。

次は、四兄弟と小人のオチ・カ(トランプキン)がしぶき川へ向かうことを話し合う場面。

…「そうだといいけど。でもわたしには、このへんの地理がまったく
思い出せないわ。」とスーザンがいいました。
 「そこが、女の子のいちばん悪いくせなんだ。」
とエドマンドが、
ピーターと小人にむかっていいました。「女の子の頭には、
からきし地図がはいっていないんだもの。」
 「だから、そのかわりに、すてきなものがつまっているのよ。」とルーシィがいいました。…


ルーシィのエドマンドへの言葉がかわいくて大好きです。わたしが女だからかもしれないけど、
ここを読むと思わず微笑んでしまうのはなぜでしょうか?

川をくだるかで、もめる場面では…


…「エドマンドは?」とピーター。
 「そうさね、ま、こんなことなんだな。」とエドマンドは、早口に、すこし赤くなりながら、話しだしました。
「あの、ぼくたちがはじめてナルニアを見つけた時、一年前、あるいは一千年前かもしれないが、
いずれにせよあの時、ここをはじめに見つけたのは、ルーシィで、それをだれも信じなかった。
しかも、それでいちばん悪かったのは、このぼくだ。でも、けっきょくルーのいうとおりだったんだ。
こんどもルーのいうことを信じて、まちがいないんじゃないかなあ?
ぼくは、のぼるほうにさんせいだ。」…

エドマンドは、「ライオンと魔女」での自分の失敗を、いつも心に刻んでいるように思います。
それは、いつまでも落ち込んでいるとか、沈んでいるわけではなくて、そのことをすごく
悔やんでいるからこそ、二度とそんなことをしないようにと自分に言いきかせているのだと思います。

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